|
|
 |
なでしこの思い |
|
秋になっても、まだ美しく
プランターのなでしこが咲いている。
「なでしこ」にも色々な種類があって、
このなでしこは「やまとなでしこ」とは違うらしいけれど。
それでも、今、この国でひっそりと秋を彩る。
 |
石竹(せきちく)。
いわゆる唐撫子(からなでしこ)。
|
やまとなでしこ(大和撫子)といえば、
日本女性の清楚な美しさをほめていう言葉(『大辞泉』より)。
でも、それだけじゃない。
とこなつに わびしきものは 色深く
思ひそめたる 心なりけり
(源高明)
「とこなつ」
夏から秋に至っても花が咲いていることから、
野生のなでしこの異名なのだそう。
とこなつ、のようにいつまでも
情熱的に咲き続ける。
それはたおやかな印象とはまた違った顔を持つ撫子。
清楚に見えて、結構情熱的。
そんな女性が好き。
いつまでも咲き続ける。
二十歳を過ぎても。
そして
八十歳を超えても。
【記事投稿者: Yayuyoさん】 |
初めて、読者の方からの投稿記事を掲載させていただいております。
私、田中ですが、この記事を拝見した時に、あまりにも情熱的な恋心を感じ、
ドギマギしてしまいました。
でも、美人になる花伝書 『美人のお作法』 第2章 20節 「美しさは若さに頼れない」
に登場している京都の祇園の80歳になるお姐さんの艶(つや)というのは、Yayuyoさんと
同じような情熱的な恋心から発せられているのではないかと思ったのでした。
ここで、私から一句。
秋風が 立ちぬるころと ならねども
枯れき土より 芽吹く思いよ
(田中 葉子)
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
和歌のチカラ |
|
「とこなつの花」といえば
ちりをだに すゑじとぞ思ふ さきしより
妹とわがぬる とこ夏の花
(凡河内躬恒)
「おおしこうちのみつね」というらしい。
生没年等は不明。
「お お し こ う ち の み つ ね」
ちいさく、つぶやいてみる。
うん、いい名前。
躬恒は、十三夜に和歌を詠んでいる。
ももしきの 大宮ながら 八十島を
みるここちする 秋のよの月
(凡河内躬恒)
現代では、夜中でも街の明かりは消えない。
でも、千年前と同じ月。
 |
平成18年11月3日
十三夜(後の名月)のお月様です。
|
実在していたのだろうか。
「おおしこうちのみつね」は。
躬恒に大切にされた
「とこなつの花」。
十三夜に少しだけ
その人に嫉妬してみたりする。
だって
千年前の和歌が ささやくから。
その「とこなつの花」が
まるで私であるかのように。
全ての女性に向けられた
優しい気持ちのように。
【記事投稿者: Yayuyoさん】 |
十三夜に和歌をうたい、千年の時をこえて、思いをはせてみる。
私もときめいてしまいました♪
心を豊かにする恋ができそう。
そんな予感がしたのでした・・・
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
もみぢ御膳はいかが |
|
この落ち葉のごちそうは、
ベニマンサクやシロモジ、ミネカエデやクヌギの葉。
やさしい彩りのおいしそうな「もみぢ御膳」となりました。
日本の森林浴発祥の地、
木曽・上松町の赤沢自然休養林で母が集めた葉っぱたちです。
眺めていると、紅葉狩りに訪れた10月半ばの美しい光景がよみがえります。
ヒノキに代表される木曽五木の針葉樹林の多いこの森だからこそ、
赤、黄とあざやかな広葉樹の紅葉が際立っておりました。
いろんなコースが整備されているので、
子どもからお年よりまで、山歩き初心者から上級者まで
ゆっくり楽しむことができる森です。
ちょっと歩くだけで豊かな香りに包まれ気持ちが安らぐこの場所は
今年、森林セラピー基地にも指定されました。
立冬を過ぎ、信州の朝晩はぐっと冷え込むようになりました。
今ごろ赤沢はもう初冬の景色かも知れませんね。
 |
『もみぢ御膳』
どうぞ召し上がれ♪
|
【題名: きせつの贈り物−信州 伊那谷から】
【記事投稿者: Koharuさん】 |
『もみぢ御膳』、おいしかったです〜♪
おかげさまでおなかがいっぱいになりました。
そこで、私からお礼の一句。
もみぢ狩り ひとはひとはを ひろいしかさね こころうるおす 秋色ごはん
(田中 葉子)
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
封を解く |
|
風吹けば 落つるもみぢ葉 水清み
散らぬ影さへ 底に見えつつ
(凡河内躬恒)
火のあたたかさが恋しい時期になった。
これから、茶壺に詰められた新茶の封印が解かれる頃となる。
茶壺にも「撫子」を見つけた。
『山上宗二記』 (岩波文庫) によれば、
「いつもこの壺を子のごとくに秘蔵してなでさすられたるにより、
さて、なでしこというなり。」
その「撫子」がどういう運命をたどったのかは知らないけれど。
たった一人の持ち主に大切にされたというだけで
撫子冥利につきるものかもしれない。
ある夜、私は本を開いた。
晩秋の頃。
そう、いつもの「ひらめき」だ。
このひらめきが来たら、旅に出る。
どこからか呼ばれているような
そんな気持ちになる。
まるで壺の封印が解かれるかのように。
冬は
大切にしまっていた心の封印を
そっと解いてみよう。
きっと 心があったまる。
そんな予感がした。
【記事投稿者: Yayuyoさん】 |
茶壷(ちゃつぼ)に「撫子(なでしこ)」という名前のものがあったのですね。
茶の湯をたしなまないものですから、良く分かっておりません。
『山上宗二(やまのうえそうじ)記』 岩波文庫
があるようですので、まずはこちらを一読してみたいと思いました。
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
初冬のいろ |
|
春がやってくるのは遅いけれど、冬に近づくのが早い信州です。
少し前の鮮やかさが消え、落ち着いた静かな山肌となりました。
このところ、山々のカラマツの黄がくっきりと浮かび上がるように輝いています。
今日は二十四節気のひとつ小雪(しょうせつ)。
いよいよ本格的な冬景色へと変化していきそうです。
今年2月に開通した権兵衛トンネルは、伊那谷と木曽谷をぐっと近づけました。
写真は権兵衛トンネル手前の伊那側付近です。
木曽側からトンネルを抜けて車で走ってくると、
遠く南アルプスを望み伊那の街が真正面に広がってくるのです。
視界がぐんぐん広がってくるのが気持ちの良い、
お気に入りのドライブポイントのひとつです。
今年もあとひと月と少し・・・・。
ていねいに過ごしたいなあと思います。
【題名: きせつの贈り物−信州 伊那谷から】
【記事投稿者: Koharuさん】
|
山間部に建設されたトンネル。
周辺にお住まいの方々の行き来は格段に良くなっているのではないかと思います。
でも、移動速度が速くなるほど、自分自身のそばにある豊かな自然を見落としがちに
なってしまうように思います。
Koharuさんは、わざわざ近くのパーキングエリアに車を止められて、眼前の風景を
心ゆくまで楽しまれたのでしょうね。
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
種から芽、芽から花へ |
|
たづねゆく まぼろしもがな つてにても
魂(たま)のありかを そこと知るべく
『源氏物語』
冬になり、心の封が今解かれた。
過去、現在、未来への旅が始まる。
空を飛ぶたび、人知れず「死」を覚悟する。
離陸の時、そして着陸の時の2回。
いつもいつも、思う。
これでもし、無事に生きていられたら
・・・・・・・。
この・・・・が、私の人生の答え。
このために生まれてきたのだと、いつも思う。
壺の「なでしこ」は誰かに大切にされたけれど
私は私を、大切にする。
そうやって、自分の中の、心の壺が
ほんものの「なでしこ」へと変化した時
自分だけの色が咲くと信じているから。
誰だって、女性は美しい。
この世の全ての女性はみな
それぞれの色で咲いている。
そのよさを見出すのは
誰でもない、自分なのだもの。
まずは種を芽吹かせなくちゃね!
【記事投稿者: Yayuyoさん】
|
人様から自分が愛されるには、まず、自分が自分を愛することなのですね。
自分自身が愛することができない自分を、人様は愛してはくれない。
よくよく考えると当たり前のことかもしれませんが、結構、忘れてしまっている
ように感じました。
なお、文中の壷の「なでしこ」については、前回のYayuoさんの投稿「封を解く」を
ご一読いただければと思います。
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
幸せになりたい |
|
無事に飛行機は着陸した。
今回は高速バスに乗ってみよう。
東京、八重洲へ。
ふと、人間ではない重さを感じて視線を向けると、
そこに生き物がいた。
・・・・?
イノシシがこんなトコにいるの?
これが「幸運の仔豚像」だと、プレートで確認。
鼻先を撫でると幸運がもたらされるらしい。
イノシシって、来年の干支よね。
おまけに「撫でる」なんて。
これで来年の幸運は約束されたようなもの。
そんな単純な自分がおかしくて、つい、
笑顔になってしまった。
偶然なのか、それとも
あの本の起こす奇跡なのか。
はたまた「なでしこ」のせいなのか。
いやいや、
躬恒の歌にまだ酔っているのかもしれない。
さまざまな事を思いながら、バスに揺られつつ
いつの間にか眠りに落ちた。
君をのみ 思ひねに寝し 夢なれば
我が心から 見つるなりけり
(凡河内躬恒)
【記事投稿者: Yayuyoさん】
|
来年の干支はイノシシでしたね。
何故か、干支って気になるんですよね・・・
私も、ちょっと八重洲に、足を運んでみようかなと思ってしまいました。
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
夢の柴舟 |
|
目を覚ますと、景色が一変していた。
日差しも少し傾いていて、ここがもう東京じゃないことくらい、
すぐわかる。
小雨が降っているのか、景色が霞んでいる。
程なくバス停に到着。
宿へ。
美術館沿いの石垣の道。
お城のような宿。
先代さんが古美術を収集されておられたようで
縄文式土器から、現在の人間国宝の作品までが飾られている。
「お風呂のあと、浴衣をお召しになってからでも
ゆっくりとご覧下さい」
浴衣のまま、廊下やロビーへ出る習慣がないので
その一言が嬉しい。
広く落ち着いたロビー内で、さまざまな古美術品を
ゆっくりと拝見する。
誰もいない。
どこかで宴会の声は聞こえるが、姿は見えない。
独り占めの空間。
部屋に戻ると、夢見心地のまま
女神と共にお茶を戴いた。
ここは「金沢城」というお部屋。
ロビーに何体もの鎧。
異空間。
そういえば、旅の前に家人が戴いてきたお菓子、
「しばふね」だったな。
本多蔵品館にも村雨の壺があるらしいし・・・。
世のわざの うきを身に積む 柴舟は
たかぬさきより こがるらん
(謡曲 兼平)
何かが回る。既に思考は追いつけない。
理解も解析も不能。
そんな世界に踏み込んでしまった。
これから何が起こるのだろう。
「金沢城」の中で、曖昧な、しかし確実な
先の気配を感じたような気がした。
【記事投稿者: Yayuyoさん】
|
Yayuyoさんの文中にある「しばふね(柴舟)」。
金沢の老舗(しにせ)、小出(こいで)のお菓子です。
また、本多蔵品館とは、加賀前田藩の筆頭家老 本多家が所蔵していた
武具や調度品を展示しているところです。こちらも金沢にあります。
なぜ、こんなに詳しいのですかって?
実は、このサイトの更新作業を担当している「むろぴい」が金沢の出身なのです。
私は、教えてもらっただけなのです。
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
菊の露 |
|
空は澄んでいた。
七五三のお祝いだろうか。
近くの神社では菊祭りとともに、
幸せそうな人々が行き交う。
そんな神社の中で、ふと
青い空の間から、三粒、四粒の雨が落ちてきた。
周囲の人も次々に上を見上げる。
風に吹かれて勢いよく通り過ぎる、ちぎれた綿飴のような雲の一つが、
いたずらっ子のような雨を落とし、さっさと去っていった。
山人の 折る袖匂ふ 菊の露
うち払ふにも 千代は経ぬべし
(藤原俊成)
菊を模ったお菓子を、ひょいと
口に放り込んだ。
甘い白菊がしみじみと、
口の中で溶けて消えた。
【記事投稿者: Yayuyoさん】
|
菊の花言葉は「高貴」。
そういえば、天皇家の紋章にも菊が使われていますよね。
投稿いただいた写真は、大菊(一輪菊)。
観賞用に栽培するようですが、人が丹精を込めて育てると、
こんな素敵な姿になるのですね。
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
不二山 |
|
よい天気に恵まれた。
東京国立博物館の特別展
「仏像 一木(いちぼく)にこめられた祈り」を拝観。
仏像とは、そもそも仏陀の像のことらしい。
真理を悟った者・・・・しかし、何も知らない私にとって、
生と死の「死」をなぜか深く意識してしまう。
展示室を後にして、庭園へ。
何気ない植物ひとつひとつに、
「生」が宿っていた。
日の光を一杯に浴びて、
博物館の外へと飛び出す。
美味しい昼食を戴いて元気になり、
富士山まで足を伸ばすことになった。
ここは東京渋谷区。ここに、富士塚がある。
私はとうとう不死山の頂上へと到達した。
光と影、生と死。
そんな二つのものの間を
ふらふらと歩いているのが日常なのかもしれない。
ご一緒下さった桜の君のご紹介で、
墓相の大家Y氏にお目にかかる。
さまざまな事をご教授賜り
恐縮するばかり。しかし
ほろ酔いに嬉しい気持ちも重なって、
おそれ多さと感謝の気持ちが入り混じる。
今日一日の出来事に感謝しつつ
眠りにおちようとする朦朧とした中で
凡河内躬恒の事が浮かんだ。
ああ、今日は躬恒がいたな。
菊が沢山咲いていたっけ。
心あてに 折らばや折らむ 初霜の
置きまどはせる 白菊の花
(凡河内躬恒)
【記事投稿者: Yayuyoさん】
|
不二山、富士山、不死山・・・
この記事をアップしている今日は、2007年1月2日。
一富士、二鷹、三茄子・・・
よい『初夢』がみられますように。
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
香り漂う |
|
「どっちにする?」
桜の君の言葉で、私は、今日が
昨日の続きであるらしい事を知った。
目の前に、織部と志野。
「この壺、草花の事にてはなし。」
『山上宗二記』の一文が頭をよぎる。
白鳩が3匹、おとなしく口に入るのを待っていた。
目の前には烟足軒。
いつかの残り香が漂っている。
ここは晩秋の夜に開いた本の、生まれた場所。
でも、まだ、ここで終わりではない。
胸の鼓動が高鳴りそうだ。
なぜか?いや、わからない。
私たちは目的地へと向かう。
もう、向かうしかない。
この予感が何かを知るために。
バスに乗り込んだ後、既に過去となった
円覚寺の自然を思い起こす。
秋萩の ふるえにさける 花みれば
本の心は わすれざりけり
(凡河内躬恒)
美しい萩だった。
今日一日が、全てだった。
織部と志野と
抹茶と白鳩が
体の中で溶けて消えた。
【記事投稿者: Yayuyoさん】
|
緑と白の対比・・・
草花の白萩から、茶碗の志野と織部・・・
こだわりを持って時間を過ごしてみると、自分の目の前に起きていることが
あるキーワードでつながっていると気づく時があります。
そんな時って、感性が磨かれているようで、ちょっとうれしいのです・・・
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |
 |
音のよきかな |
|
バスは、私たちを知らない場所へと降ろした。
リスのつがいが現れるほど、自然豊かな場所に
ギャラリーはあった。
代表取締役にお目にかかり、
不思議の国のアリスのような気持ちになる。
でも、この夢は覚めない。
茶壺を畏れながら、数時間拝見。
もうおいとましなくては・・・そんな時に、
御茶碗をも拝見してしまった。
その、長次郎の作品はまさしく、
あの本に出ていた御軸の人物だった。
この世に生まれ、そして
夢をもち、寿命の尽きるまで生きる。
最後の最後まで、後ろで支えてくれているような気がして、
私はそっと、その人物に触れた。
彼の持つ巻物を
見せて貰えたのか、ですって?
いいえ。
だって、それは、きっと不二。
全ては、あのお庭の、小さな
「なでしこ」から手招きされた旅。
ながきよの とおのねふりの みなめさめ
なみのりふねの おとのよきかな
『日本風土記』
感慨にふけっていると、あっという間に師走になってゆく。
どうか、この世界の人たちみなが
よい毎日をおくれますように。
世界中の女性が運を味方につけて、
美人になりますように。
たった一人の
大切な人に
めぐり合えますように。
たくさんの事を思いながら
今夜も眠りにつきましょう。
明日もきっと
よい一日だと信じて。
【記事投稿者: Yayuyoさん】
|
今回の投稿が、「一連の区切り」とのご連絡をいただきました。
Yayuyoさんの投稿いかがでしたでしょうか?
誰にでも、自分自身を見直したいときがあるように思います。
自分自身を掘り下げ、自分自身と向き合うことが自己回帰につながることがあります。
そんなきっかけをくれるのは、そう、『旅』かもしれません・・・
|
|
|
|
ページTOPへ移動 |